2022年4月12日(火)-4月22日(金)
大平 奨 展

2022年4月12(火)-4月22(金) 12:00~18:00( 最終日 -17:00)  日・月曜 休廊

 OHIRA Susumu Exhibition

私達の目は一秒一秒の変化、時間の経過によって引き起こされる瞬間の変化をとらえることは難しい。

例えば、顔は一瞬毎に変化しているが私達の目はそれを認識できない。

変化を認識できるようになるのは半年後、あるいは一年後くらいでしかないからだ。

自分が「今」見ているものはすでに「今」ではないように思える。永遠に変わらないように見える風景、そして生きとし生けるものすべてのものがゆっくりと変化、変貌して行く。

そうした捉えられないイメージを追い続けている。円は、朝昼晩、春夏秋冬、12支、そして還暦といった繰り返し円環を形作る時の流れや光の表象として私の中にある。


私の作品は今のところ三つの種類に分けることが出来るだろう。

キャンバスにアクリル絵具で描いた作品、写真や絵をUV印刷でアクリル板に印刷したもの、そして「時の落とし物」と副題を付けた作品群だ。


「時の落とし物」は日々の生活の中で心に引っかかって集めていたものを使用して制作した作品だ。

例えば、洗濯した後にポケットから出てきた紙の塊、ホウヅキの繊維だけが残ったもの、枯葉、ガラスの破片、海浜で集めたサンゴ、貝殻、木片等だ。

「描くこと」に次いで「見ること、見えること、記憶」に関して考えるようになったのはいつ頃だろうか。

2017年にアーテイスト・イン・レジデンスで滞在したフランスの小さな町は25歳から1年半過ごしたモンペリエの北約20キロのところにあった。その滞在の折にモンペリエにも何度か出向いた。

昔と今。そこでの滞在が、見ること見えること、そして記憶についてなんらかの影響を与えたのだろうか… 

2020年1月から2度目のアーテイスト・イン・レジデンスで同じ町に滞在する機会を得た。その時にも同じようなことを考えながら日々過ごしていた。

そして3月、フランスでは Covid19による 外出禁止令が出され、私は南仏から急遽帰国することになった。

フランス出発当日の午前中、外出許可証明書を持って殆ど無人のパリの街という不思議な風景の中を歩く稀有な体験をした。

帰国後、無人のパリの街の写真を見ながら、昔の紙の塊(35年前のパリの地図)に思いを重ねた。コロナで経験したパリの街の風景が「時の落し物」を制作する契機になるとは思はなっかた。


タイトルとして「景」を使い始めてから15年以上になるが、「景」の意味は次の通りだ。

1:光、陽射し 2:日 3:あきらか 4:白いさま 5:様子 6:形 7:風景8:影 9:「映」と同じ意味を持つ等々…
今回の個展では、キャンバスにアクリルの作品、アクリル板にUV印刷した作品、「時の落とし物」等、15点前後の作品を展示する予定です。 (大平 奨)

■略歴

大平 奨
1949   -山口県下関生まれ  
1972   -法政大学卒業  
1975~77 -ポール・ヴァレリー大学語学研修(モンペリエ、フランス)

日本美術家連盟会員
第74回富山県美術展洋画部 県外審査員 (2019)

アーティスト・イン・レジデンス:メゾン・デマ(フランス/2020、2017 )

・個展(38回):
フランス、モンゴル、韓国、なびす画廊、ギャラリー檜e・F、シロタ画廊、ぎゃらりー由芽、たましんギャラリー、下関市立美術館、ギャラリーれがろ、下関市立美術館、Institut Français du Japon-Tokyo、日仏会館他

・主なグループ展(海外):
2021- Spontaneous Combustion(ベルギー)、 Get Out of Your Skull (ベルギー、オランダ)、 Color the
World in Daejeon(韓国)、Pandemic Inspirations(トルコ)、The Reflections CV19(オランダ /
2021-2020)
2020- Fragamentos(スペイン)、Contemporary Collaboration 2.0(オランダ)、Anticipate Reflect(オー
ストリア)
2019- La Providence(フランス)、Crossing Borders (ベルギー)、 第5回国際アートシンポジウム
“Unlimited Art” ( ブルガリア)、 中日現代絵画の対話展 (中国)
2018- Pop-Up III (preview) (オランダ)、 The Perforated Project (タイ)、 日越現代美術展「10 in
HCMC」(ベトナム)、韓国大田市国際美術交流展 in・モンゴル (招待作家) (モンゴル/ 2018, 17,
16 )、エスキシェヒル市主催第9回国際アートワークショップ (トルコ)、
2017- Vendémiaires d’Automne (フランス)、The synergy in Paris (フランス/14, 13)、Endless Beginning
(モンゴル)、大田市国際美術交流展 (韓国/ 2017, 16, 15, 14)、
2016- Daejeon International Art Show  (韓国/15,14)
2015- ユーラシア国際アートフェステイヴァル“Communication and Harmony”(韓国)
2013- スペイン日本交流400周年美術展(スペイン)、月谷展(華甲壽筵)(韓国)
2009- 日韓国際アートフェスティヴァル「Moving Castle」(韓国)
1975- フランス美術賞展 (パリ).

・主なグループ展(国内):
2022 -点の解 (横浜)、凸凹展(東京/ 2021, 2019, 18, 17, 16)
2021 -磁力展 (東京/ 2019, 2017)、美の精鋭達展(埼玉 / 2021, 東京/ 2020, 神奈川 / 2019)、 
    Collaboration田辺修X大平奨 (東京)
2020 -阿佐ヶ谷アートストリート(東京/ 2019)
2018 -ART/X/TOYAMA in UOZO (富山 / 2014, 2010, 2006 )、2017 -西(ルーマニア)と東(日本)
のBook Art展(東京)、現代日本アートとの対話(東京)
2016 -遊・桜が丘 現在進行形(多摩市)
2015 -Rencontre (出会い)(東京)、三つの風(川崎)、 Viewpoint(東京)
2012 -上野の森美術館大賞展 (東京/ 2011) 
2011 -今日の反核反戦展 (埼玉/ 2010, 09, 08, 07)
2010 -日韓国際アートフェスティヴァル「Moving Castle」(東京)
2008 -ノー・ウォー横浜展 (神奈川) 
2005 -Independence-5(東京)、日韓国際現代美術展 -パンドラ-美の祭典(横浜)
2002 -デジタルプリントアート展(川崎)
2000 -弁天海港佐久島第3回アートフェスティヴァル『生活と芸術』(愛知)
1990 -第1回TAMON賞展(千葉)、第9回現代日本絵画展(山口)、
1989 -IBM絵画・イラストコンクール展(大阪 / 1988)、 枕崎市制施行40周年記念第1回“風の芸
術展”(鹿児島)、 第5回吉原治良賞美術コンクール展 (大阪)、ジャパンエンバコンクール
展 (兵庫/ 1988)
1986 -国画会 (東京 / 85-80, 75, 74新人賞(85))、
1985 -第17回現代日本美術展 (東京、京都)