2021年9月7日(火)-9月17日(金)
追悼:吉原和子展
Kazuko Yoshihara Memorial Exhibition
〜花の刺繍19点とコンサートプログラム表紙56点の展示〜
グラフィックデザイナーとして広告代理店に勤めながら、生涯に渡って夫の制作を手伝った彼女の死後、仕事場から19点の花の刺繍作品が発見されました。
また2002年以来、継続してデザインしてきたコンサートプログラム表紙を、彼女は周りの誰にも見せていませんでした。
いずれも素晴らしく、目を見張る高い水準の仕事です。闇に葬るには大変惜しく、この度、神保町のアートギャラリー・アンドレジオンのご協力を得て発表の運びとなりました。
新型コロナウイルスの感染拡大もまだ収束が遠く大変厳しい状況下でありますが、ご無理をなさらない範囲でのご来場をお待ちしております。
日影眩
昨年の3月に75歳でこの世を去った吉原和子さんは、とても素敵な女性でした。画家/日影眩氏の奥さんであるとともに、優れたグラフィックデザイナーでいらっしゃって、生涯にわたってエネルギッシュなたくさんのお仕事を世に送り出されました。
控えめで芯の強い和子さんは、多くの人に愛されてきました。
銀座のギャラリーで初めてお目にかかった折の、“たおやか”で、かつ“愛らしさ”にあふれた和子さんの第一印象を、今でも私は心につよく覚えています。仕事をもつ女性として、自立して生きる一人の女性として、静かなオーラに和子さんは包まれていました。
この度、夫の日影眩氏のご厚意により、art gallery &Legion神保町で、日影氏が所蔵されている和子さんの作品を一堂に展示し、哀悼の意を込めて追悼特別展を開催します。
長年、丁寧な仕事振りで関わってこられた一連のプログラム・カバー・デザイン、
プライベートな時間に私的な創作として愉しまれ制作されたお花の刺繍シリーズ、Instagramを通して身近な方々へ発信されていた手作りの布製のバッグや、自宅の個室の壁にそっと飾られていた愛らしいハンドメイドのぬいぐるみ等も展示します。
強い意志の下、長年にわたって自由な心で創作されたこれらの作品群を、この機会により多くの方々に見ていただければ幸いです。
art gallery &Legion
主宰 三上紀子
■吉原 和子 略歴
グラフィックデザイナー
1945年 東京生まれ
1969年 東京デザイナー学院卒業
1969年 オー・スタジオ入社
1978年 株式会社有楽通信社入社
2003年 株式会社毎日広告社に移籍
2005年 株式会社毎日広告社を定年退社
2005年 以降フリーランス
2020年 進行性膵がんにより逝去(享年75歳)