2022年2月15日(火)-2月25日(金)     
青 野 正 展「馳 鉄」 ~あの日の赤屋根の駅へ~

旧国立駅舎(大正15年開業)の建材として使用されていた古レールを、

彫刻家 青野正氏が作品として甦らせました。

駅舎の歴史や思い出と共に鑑賞していただけましたら幸いです。

Aono Tadashi Exhibition “IRON

to the red roof old station

2022年2月15(火)-2月25(金) 

12:00~18:00( 最終日 -17:00) 日・月曜 休廊

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作品 | 「あの日の赤い屋根の駅へ」

青野 正

今回ご縁があり、 国立市役所のご協力を頂いて、 旧JR国立駅舎の柱に使われていた

古い英国製レールと米国製レールの端材を作品として使いました。

旧JR国立駅。

多くの方が、 あぁ、あの赤い三角屋根の愛らしい駅舎。 と記憶されていると思います。

大正15年(1926年)の創建時より、 国立市のシンボルとして親しまれながらも、

平成18年 (2006年) JR中央線立体高架工事に伴い、 取り壊されその使命を終えました。

しか し、解体を惜しむ多くの声が、 旧駅舎を市指定有形文化財へと押し上げ、

市は解体された部材を保管して再建へと動きました。

令和2年(2020年) 赤い三角屋根の旧駅舎は新駅前広場に復原され、

まちの魅力発信 拠点としての新しい仕事が始まりました。

1926年の創建当時、 駅舎正面の庇柱や屋根構造材には

英国製 米国製の古レールが再利用されていました。

再築された旧駅舎の正面2柱もその古レールで復原されています。

そこには1888年の刻印がはっきりと読み取れます。

再建の際に使い残された古レールの端材。

その錆びた鉄の塊に、 1世紀以上の鉄道の歴史と人々の営みが宿ります。

私は40年程、鉄の作品を作ってきました。

鉄は地に生まれ、 使われ、 風に飛ばされいつしか土に戻っていく。

全ての命がこの風に漂い、 時を廻り、 何処かの土地に戻っていくことは

果てることのない創造である。

私はいつもこのことに魅せられ、

鉄と共に歩んできた人の歴史を視ながら、

制作を続けています。

この度、駅舎に寄せられていた願いと時間とを、

思案しながら制作した次第です。

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