日影眩個展「スペースニルバーナⅡ」がはじまります(5/17~)
2021年5月17(月)-5月29(土)12:00~18:00( 最終日 -16:00) 日曜 休廊
Hikage Gen -Space NirvanaⅡ-
The Vanishing World
日影眩展 スペースニルバーナⅡ によせて
~ 変わるもの と 変わらないもの~
神保町art gallery &Lgionでは、5/17-5/29まで、
≪日影眩展 スペースニルバーナⅡ 〜消されゆく世界〜≫を開催いたします。
日影眩は、1980年代にフログズアイという新しい視線を用いた独自のパースペクティブによって、都市を往来する人々をリアルに生き生きと描いた現代アートの作家です。
そのあたらしい作風はこれまでのアートシーンにはないものとして写真週刊誌FOCUSに取り上げられ、新たな時代の到来とまで謳われました。
その後、日影は20年にわたるNY生活を経て、
2016年より再び日本においてアート活動を再開しました。
それから5年。
今、日影は独自の視点で新たな境地を開き続けています。
現在、日影は、描くという行為を「自ら」の中に帰依することに焦点を置きます。
近代における西洋からの美術的知識に頼ることなく、
“もともと自分の中にあったもの”を拠り所として絵を描こうとしています。
日影はそれを「共通的潜在意識(普遍的潜在意識)」と呼びます。
新しいもの、
ほかにはないもの、
見たことがないもの、
新しい材料、新しい構図、新しい技法、新しい・・・・。
日影はそんなこれまで美術において良しとされてきたものに、縛られません。
全体の「構図」をとることもなく
色彩の「調和」の意図的な試みをすることもしません。
そんな窮屈なものは、脱ぎ捨ててしまえ!!
ただ自由に、
ただ描きたいように。
絵を描く技術をいったんよこに置き、
絵を描く目的も考えない
今、日影は、「自分は、幼少期に戻って描いている。」と綴っています。
幼少期。
「美術」というものを、まだ何も知らなかった頃の自分。
「技法」というものを、まだ何も知らなかった頃。
翻っていえば、その頃の方が、自分の内から湧き出るものに、
正直に捉え、より自由に、より描きたいように、まっすぐに応えていたのだと。
10歳の頃の天才少年の、無垢な想像力!
長い年月を、一気に飛び越して、より自由に、より大きく。
だから、私たちは安心して日影の新作を、まっすぐに鑑賞することができるのです。
でも実は、これらは、これまでの長いアーティストであった時間の賜であることを、
私たちは知っています。
“その境地“に到達することができた人だけに、
“その地点“にたどり着くことができた作家だけに、与えられた<特権>
時代の最先端の地点に立った、その景色を知っている者こそならではの、回帰である。
結局、アーティストは、そこに戻ってくるのだ。
長い長い旅路を経て、そこに戻ってくるのだ。
Congratulations on welcome back , Mr.HIKAGE !!
現代の日々の社会生活の中で、<変わっていくもの>
一方、なにごとがあっても、自分の中で、決して<変わらないもの>
日影はかつて、“フログズアイ”で、都市の中で人々の<変わっていく>様を
的確にとらえ表現した。
今、日影は、“共通的潜在意識” で 自分の中の<変わらないもの> を
掘り起こしている。
artgallery&Legion主宰 三上紀子